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【薬害エイズ】「薬害エイズ有罪-市民の命を守る重さ」

薬害を防ぐ責任は、第一に製薬会社や医師にある。国の監督権限は二次的なものだから、怠慢があってもただちに公務員個人に刑事責任は生まれない。しかし、薬害エイズのように重大な危機が迫ったときは別だ―。

最高裁はこのように述べ、薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われた元厚生省課長を、禁固1年・執行猶予2年とした高裁判決を支持した。公務員の職務怠慢を理由に、国や地方自治体が民事裁判で賠償を命じられることはあるが、担当の公務員個人が刑事罰を受けるのはこれが初めてとなる。

元課長は血液製剤の製造・輸入を承認する責任者だった。それなのに、エイズウイルスに汚染された血液製剤の回収を命じるといった措置を怠ったため、病院で投与された患者1人がエイズに感染して死亡した。罪の対象となった被害者は1人だが、一審判決が「我が国の極めて広い範囲に危険を発生させていた」と認定したように、実際の影響ははるかに大きいものがあったはずだ。それを考えれば、今回の最高裁の判断は納得できる。

 無罪を主張した元課長は「自分には個人の刑事責任が問われるほどの義務はなかった」と反論していた。これに対して、最高裁は「汚染された血液製剤について、国が販売中止などの明確な指針を示さなければ、安易な販売や使用が行われる恐れがあった。そうした状況では、防止のために十分な措置をとる義務がある 」と退けた。

平成20年3月6日付「朝日新聞」社説から

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