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和解10年に向かって(1)被害者の現状について


和解10年に向かい、被害者の現状をお伝えします。

HIV訴訟の被害者総数は、約1370人になります。
現在もわずかですが新規提訴者がいます。

被害者の中で、2005年12月31日現在586人の尊い命が奪われました。
昨年も東京提訴者では10人の方が亡くなりました。
東京大阪を合わせると21人になります。
被害者の1/3以上、半数に迫るという被害実態です。

最愛の家族の命が奪われた遺族の実情も、調査研究から差別不安による孤立感、高齢化や身寄りが少なくなるなど生活や心身への遺族固有の被害が強く伺えます。

患者・家族調査を現在実施していますが、患者については被害期間が長期化しているところで、悪い状況に馴れて、かなり悪化しないと窮状を訴えてこないなど、特にC型肝炎の悪化にその傾向が顕著です。
また、家族について実態が表に出ていませんが、患者の兄弟などに被害発生当初から心理的な影響が強く、現在家から離れて親子・兄弟間が疎遠であったり、引きこもりなど、薬害エイズ発生による家族全体へ及ぼす影響が今まで埋もれていたのが表面化してきました。

一方、抗HIV薬の進展やACCを中心としたブロック拠点病院・拠点病院の重層構造による医療体制の充実化が進み、患者へのHIV医療はフォローができている患者については命を永らえていく希望が強まってきました。

ただし、HIV/HCV重複感染の悪化は厳しく、亡くなった10人の仲間のうち9人が肝硬変・肝がんが死因でした。

エイズに対する偏見・差別について、社会での啓蒙啓発はいろいろな取り組みがなされていますが、なかなか解消の光が見えません。

社会を変えていくには、一般社会から、差別感を持つ側からと、双方の歩み寄りも大切です。
被害者には近しい人への打ち明けなど、限られた範囲での小さくても大きな支援を得ている方が少しずつですが増えてきました。
こうしたささやかな努力が社会を変えていくと信じます。

私たち被害者も、大変多くの人々の支えで恒久対策や被害回復などの実現を得ています。

今春の第2回メモリアルコンサートは、被害を受けた私たちが、二度と悲惨な被害が起きないよう、命の尊さを音楽で世に伝えるものです。

このような企画を実施し、薬害エイズという未曾有の事件が決して忘れ去られないよう、また風化させないよう、私たちもがんばります。
みなさんのがんばり、一人一人のがんばりをみんなで支えあいましょう。

はばたき福祉事業団 理事長   大平勝美

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