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「HIV感染に係る障害者自立総合支援プログラム等研究開発事業」
平成19年度障害者保健福祉推進事業実施計画書 補足資料


1-1.背景
HIV感染者に係る障害者は「社会からの差別偏見」「差別不安」により「孤立化」している。
そのため、必要な支援を受けられにくいなど、障害者に対する社会的な差別・偏見をより特徴的な形で抱えている。

● HIV感染に係る障害者は、若者層を中心に急増している。
● 抗HIV薬の開発の進んだ1996年以降、HIV感染に係る障害者の治療環境・生活環境は一変し、生活管理、就労などの長期的な生活の質に関わる問題も拡大している。
● 社会参加の機会を得る年代でもある20代から30代への層の人数も多い。
● 社会・地域のつながりがないことが人間関係の悪化を招き、就労状況も悪化し、生活が乱れ、気力が治療に向かず健康悪化に向かうなど、悪循環が起こっている。
● HIV感染に係る障害者は、家族にもHIV感染の事実を隠していることも少なくはないなど、表面上には現れにくい困難を多く抱えている。
● そのため、外部との信頼関係や支援を受ける上での障害も多く、社会参加や自立の障害になっている。
● 他者や社会との関わりなどの、社会不安や差別不安などから、問題を抱え込んだまま孤立化しやすい傾向がある。
● HIV感染に係る障害者の抱える問題は、障害に対する社会的な差別・偏見をより特徴的な形で抱えている。

1-2.課題
「身近な人々や社会とのつながりをいかに取り戻すか」という視点が重要。
当事者の自己意識改革および地域支援体制の構築が課題。当事者自らが行う支援が鍵である。

● 当事者の問題としては、今なお、他者や社会との接触を避け、必要な支援を自ら得る機会が少ない当事者自身の取り組みを促すことが課題である。そのためには、充実した支援環境のもと、自ら必要な支援を得る機会を獲得できるようになることが重要である。そのため、疾患の自己管理をうまく行うだけでなく、自己意識の改革を伴った、当事者の主体性の強化とエンパワーメントが課題である。
● HIV感染に係る障害者は、身近な人々や社会とのつながりをいかに取り戻すかという視点からの支援が早急に必要である。加えて、当事者の自己意識改革と行動変容、それを支える外部専門家からの支援に加えて、立場を同じくするHIV感染に係る障害者自身によるピアの取り組みも必要である。
● そこで、障害者自身による問題解決への取り組みを促進するねらいかから、ピアカウンセリングやCDSMP(→添付資料)など、“当事者による”“当事者参加型”の支援プログラムに注目が集まっている。HIV感染に係る障害者にとっては、外部との接触機会にもなりうることから、自己意識の変革、自立支援としての効果も期待される。これらの取り組みは海外事例などを参考に、効果的に行うことが必要であり、全国規模での展開が望まれる。
● プログラムへの参加を促すためには、社会との信頼関係を取り戻し、障害と向かい合えるようになるための、“入り口段階”での支援も鍵となる。まずはピアによる信頼関係を作る必要があり、ピアの人材、専門的な人材育成を含めた支援体制の構築も課題である。
● 長期的には、障害者自身の取り組みを促進させる当事者リーダーの育成が課題である。そのためには、自分の疾患と向き合い、必要な支援を自ら選んで受けることができるようになるだけでなく、支援する側の役割を担うお手本となるようなリーダーの育成が必要であり、そのための支援・体制作りが課題である。
● また、当事者を中心とした取り組みを促進するために、専門家や自治体との協働をいかに促すかという実践的な課題も多く抱えている。
● 抗HIV薬の開発の進んだ1996年以降において、効果的な支援のあり方については、全体として、試行錯誤の段階であり、自治体や行政との協働のあり方についても、海外の事例等も参考に再構築する必要がある。
● 近年、ピアサポートによる有用性が明らかにされる一方で、対象となる問題領域が広がったことなどから、その支援の限界も散見される。現在、専門家、行政を含めた利害関係者の協働による問題解決が課題となっている。

1-3.事業全体図
はばたき福祉事業団の10年にわたる相談事業(ピアカウンセリングプログラム)の中で、エイズ患者の差別・偏見は「外部からの差別・偏見」だけでなく、差別・偏見を受けるのではないかという「内部からの差別・偏見」も大きく、自ら閉ざされた状況に置かれている状況がわかってきた。


2-1.ピアカウンセリングおよびソーシャルマーケティング事業
HIV感染に係る障害者の自立段階に応じたピアカウンセリングの実施、情報提供を核にしたソーシャルマーケティング事業の実施
【内容】当事者参加・主体型の個別ピアプログラム
【期間】平成19年4月1日から平成20年3月31日
【実施】(社福)はばたき福祉事業団


2-2 支援プログラムの活用促進のための情報基盤の整備
事業遂行のために必要なITの活用を含めた情報基盤の整備を行う。専門家相談員に対しては、外部専門家による講習および実習形式による実務トレーニングを行い、事業遂行支援をあわせて行う。


2-3 海外視察
海外視察については、
(1)香港
(2)英国
(3)米国(スタンフォード大学)
の3箇所についてそれぞれ4人づつを派遣する。

(1)香港は、HIV障害者自立支援の効果的な先行事例を有する地域
香港では1985年までに約60人の血友病患者が血液製剤によりHIVに感染したが、2004年1月、患者のニーズと対処戦略調査が開始され、9つの問題分野が特定され、定期的にモニターするメカニズムの確立、サポートネットワークの構築、ニーズを報告するための長期的資金計画などを含む8つの提言がなされた地域である。また以上の活動は諮問機関によりアクションリサーチを通して効果的な政策に変更を加えながら進められている。

(2)英国は、当事者中心の自立プログラムに行政が関与し、広く普及した先行事例を有する国でもある。
英国はCDSMPをエキスパートペイシェントプログラムとして行政としていち早く取り入れた。

(3)米国のスタンフォード大学によって開発されたCDSMPプログラムであり、全世界での導入事例も多い。
16ヶ国以上(2007年現在)
HIV陽性者向けのPSMP(Positive self-management program)についても開発している

2-4 地域プログラムとしてのCDSMPのリーダー育成支援モデル事業
本事業は、北海道をモデル地域として、(社福)はばたき福祉事業団により、日本慢性疾患セルフマネジメント協会および、北海道難病連の協力のもと、CDSMPのワークショップを計3回、企画実施する。

ワークショップは1回あたり最大15人
1回のワークショップあたり、述べ15時間(毎週2.5時間×6週 計15時間)提供
CDSMPのリーダー派遣および、必要に応じて、専門家の派遣を行い、ワークショップ実施の支援を行う。

実施評価は当事者委員を含めた専門家委員会を組織
定期的に会議を行い結果を共有する。

当事者リーダーの支援へ
またワークショップ参加者から、自主的な申し出によりリーダー研修への参加を希望した場合には、旅費等の必要な支援を行う。

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