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新薬へのアクセスギャップ
オーファンドラッグ(稀小疾病用薬剤)で拡大

11月30日、第27回日本臨床薬理学会年会で、東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学の辻香織・津谷喜一郎両氏が、日米EU(欧州連合)での新有効成分含有医薬品(新医薬品)の承認状況や、3地域のいずれかで承認を取得してから自国で承認されるまでの平均期間(タイムラグ)に関する調査結果を発表した。

それによると、日本は米国やEUよりも承認薬が少なく、タイムラグが大きいことが分かった。
特にこの差は、HIV/エイズ治療薬を除くオーファンドラッグで大きかった。
日本では、未承認のオーファンドラッグの75%は開発が行われていないことも分かった。

1999年~2005年に米国、EU、日本のいずれかで承認を取得した新医薬品をリストアップし、3地域での承認状況を調査した。

その結果、新医薬品334薬剤の内、各地域での承認数について米国(274薬剤/82.6%)、EU(262薬剤/78.4%)はともに約8割にのぼるが、日本は約半数の181薬剤(54.2%)にとどまっている。

しかも、タイムラグは日本が45.9ヶ月で、米国(13.5ヶ月)やEU(13.2ヶ月)に比べ、3年弱の承認の遅れが生じている。

米国、日本、欧州のいずれかでオーファンドラッグ指定を受けている60薬剤(HIV/エイズ治療薬は除く)についての承認数は、米国(52薬剤/86.7%)、EU(49薬剤/81.7%)と比べ、約半数の32薬剤(53.3%)で、タイムラグも米国(10.1ヶ月)、EU(23.8ヶ月)に対し、日本は50.9ヶ月。すべての新医薬品の平均期間(3.8年)よりも更に大きい。

HIV/エイズ治療薬(11薬剤)では、米国、EUでは全ての薬剤が承認されており、日本でも約8割(9薬剤)が承認されていた。
タイムラグも米国0ヶ月(全ての薬剤が米国で初承認)、EUが7.5ヶ月、日本は14.8ヶ月で3極間のギャップもわずかだった。

このほか、新医薬品334薬剤のうち、各地域での未承認薬は、米国60薬剤、EUが72薬剤、日本は153薬剤で、いずれの地域でも、それら薬剤のうち半数以上は開発が行われていなかった。

オーファンドラッグ60薬剤のうち、各地域での未承認薬数は、米国8薬剤、EUが11薬剤、日本28薬剤で、同じ様にいずれの地域でも、それら薬剤のうち半数以上は開発されていなかった。
特に日本で開発されていないオーファンドラッグは21薬剤(75%)と目立って多い。

平成18年12月4日付「日刊薬業」より

薬害エイズ和解により、タイムラグは許されないため、迅速導入が原則だが、この所その対応が遅い。
EUの倍近くのタイムラグは、早急に是正するように求めたい。

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