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【HIV&障害者認定】エイズ:障害者認定で患者の生活好転に期待

〈エイズ:障害者認定で患者の生活好転に期待(上)〉
ソウル市がエイズ(後天性免疫不全症候群)患者を障害者に認定し、各種の福祉メリットを受けられる案を推進する方針を決めた。
これにより、これまで社会的な配慮から疎外されてきたエイズ患者の生活が大幅に好転するものとみられる。

ソウル市のHIV感染者現況(男性:1,469人、女性:96人計1,565人2007年6月現在)

ソウル市は9月19日、「韓国のエイズ人口は世界最低水準だが、感染者は正常な社会活動から離れ、極貧層に転落するケースが多い。
こうした人々に対する体系的な管理・支援策が必要だ」との見解を発表した。
日本をはじめとする先進諸国では、すでにHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者たちを障害者に含め、福祉的な恩恵を受けられるようにしている。
現在、エイズにかかった人は全国で4,051人に達し、このうち38%に当たる1,565人がソウルに住んでいる。

ソウル市は「ほかの地方よりもHIV感染者の割合が高いのは、地方都市などで感染を知った人々が周囲に知られないようソウルに来る場合が多いため」と話している。

感染者は居住する区の保健所で3-6ヶ月おきに定期的免疫機能検査をしているが、日常生活では特に制約を受けていない。
だが、「免疫機能低下→労働力低下→離職→社会的孤立・家族の断絶→極貧層転落」という悪循環に陥りやすく、経済的に困難になるケースが多い。

〈エイズ:障害者認定で患者の生活好転に期待(下)〉
特にソウルのHIV感染者の76%が社会活動の最も盛んな20-40代に集中している。
しかし、そのうち無職の人の割合は33%に当たる519人で、経済的な自立問題が深刻なことが明らかになった。
福祉健康局のチェ・ジョンシク疾病管理チーム長は「家族と社会から断絶され、自暴自棄になって生きている感染者たちを基礎生活者(日本の生活保護対象者)にしようとしても、家族関係などで指定条件に達しないケースがほとんどなので、何も支援ができていない。
福祉の“死角”に置き去りされている人々を障害者として早急に認定すべき」と話している。
しかし、HIVに感染したからといって全員が発症者になるわけではなく、健康に支障が出ず通常の生活が送れる場合もあるため、免疫機能が低下した感染者を中心に障害者に認定する方針だ。

また、これにはHIV感染者を効率的にケアする側面もある。
現在、ソウル市内各区の保健所ではたいてい一人のエイズ担当職員が最大約100人を担当しているが、感染者は毎年増え続けており、対策づくりが急がれる状況だ。
ソウル市は「障害者担当職員がHIV感染者の業務も担当すれば、より効率的に福祉の恩恵を受けられる人が増えるだろう」としている。

だが、こうした趣旨にも関わらず、推進には多くの壁がありそうだ。
まず、症状や病名を表記しなければならない各種の障害者登録文書や身分証に、エイズであることをどう表記するのかが問題になっている。
感染者のほとんどは自らの病名がどういった形であれ明らかになるのを望んでいないため、「プライバシー侵害問題」につながる可能性もあるからだ。

また、個人により症状が違うエイズに対し、どこまでを障害者として認定し、医療・福祉の恩恵を認めるのかなど、詳細を決めるのは簡単ではない。
政府関係者は「障害者としての恩恵を受けられない別の病気の患者が公平性に異議を申し立てる可能性もあるなど、多くの状況を十分考慮すべき」と話している。

感染経路(性的接触同性:732人、異性:725人。
輸血などの血液感染:19人。
垂直感染(母から子への感染)1人。
疫学調査中:25人。
その他:63人)。

職業(無職:519人、会社員:433人、自営業:196人、衛生業従事者:72人、学生36人、主婦:33人、外国航路船員:1人、その他:275人)

(2007年9月20日付「朝鮮日報」チョン・ジソプ記者の記事から)

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