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肝疾患診療連携拠点病院構想は決定されず
責任ある肝疾患医療体制の構築を

2007年からの実施計画、肝炎の診療体制整備などガイドライン、厚生労働省は「都道府県における肝炎検査後肝疾患診療体制に関するガイドライン(案)」をまとめ、10月25日の「全国C型肝炎診療懇談会」に諮り決定する予定だった。
しかし、拠点病院構想は決定されなかった。

平成18年10月18日付「日刊薬業」によると、

【「肝疾患診療連携拠点病院(仮称)」を創設し、かかりつけ医や2次医療圏に1カ所の専門医療機関と連携して、診療体制を整備するほか、医師や保健師らが治療が必要な患者に受診勧奨して受診漏れを防ぐ。

厚労省は診療体制整備の補助事業を2007年度予算に概算要求しており、GLに沿って都道府県に整備をしてもらう。
肝炎は自覚症状が無いことが多く、肝炎検査結果、精密検査の必要な要診療者が医療機関を受診しないことが問題となっている。
また、予防接種などを通じた薬害肝炎訴訟で、国の責任を認める判決が相次いでいる。

GL案内容は、感染者らが自治体による保健指導で疾患の特徴を理解した上で精密検査を受け、専門医が的確な診断を行い、かかりつけ医と連携して治療に当たる診療体制をまとめている。

具体的には、まず検診で要診療になった対象者に、保健所や市町村の医師・保健師が肝疾患の基本的な疾患情報を伝え、受診勧奨する保健指導を行う。

手順としては、医師や保健師が家庭訪問や来所相談を通じ、本人に面接などで精密検査の必要性を説明する。
本人の都合で面接出来ない場合は、パンフレットを送付するなどして受診を勧奨。
後日、受診の有無や診療内容を確認する。
同意が得られたものの、受診しなかった要診療者には再度、面接などで受診勧奨を行う。

勧奨の結果、受診を希望する要診療者に対しては、かかりつけ医と専門医療機関、肝疾患診療連携拠点病院が連携して対応する。
かかりつけ医が内服処方や定期的な検査など日常的な処方を行う。
病状の変化がある場合には、専門医療機関を紹介。
少なくとも1年に1度は専門医療機関に診察を依頼し、病態や治療方針を確認する。

専門医療医機関は、専門医による診断と治療方針の決定、抗ウィルス療法、超音波検査などによる肝癌診断が要件になっている。
2次医療圏に1カ所以上が望ましいとして、都道府県に設置する肝炎診療協議会が選定を行う。

肝疾患診療連携拠点病院は、専門医療機関の条件を満たし、肝癌の集学的医療を行える医療機関で、都道府県の中で特に中心的な役割を果たしている医療機関とする。
肝炎診療協議会が都道府県で原則1カ所を選定する。

厚労省結核感染症課長は全国感染症主管課長会議で、「B型肝炎(の感染者)が120万~150万人、C型肝炎200万~240万人と推定され、肝硬変・肝癌の進展が問題となっている」と述べ、検診の強化や早期治療、治療水準の向上が必要だと強調した。】

懇談会で示された拠点病院構想について、一部委員から、医療機関は皆真剣に取り組んでいるので、格差をつけるのはおかしいとかいう意見が出されて先送りになったそうだ。

しかし、数百万人もいるB、Cウィルス性肝炎患者の命を守る取組みは、国がディレクターとなって、それぞれ機能分担と責任を持たせて全国の人たちが救われなければならない。
肝硬変に進行させない、肝癌にさせない早期予防治療を徹底して行うには、国、都道府県、医療機関が指揮系統をはっきりさせ、医療者や都道府県の保健関係者の意識向上と医療レベルを高くして直ちに取り組む必要がある。

HIV医療体制も、エイズ治療・研究開発センターを頂点に全国8カ所にあるブロック拠点病院が設置され、300カ所以上のエイズ拠点病院が日本のHIV診療を、責任を持って当たることになっている。

ここが曖昧になると、国は都道府県、あるいは熱意ある医療機関任せになり、ひいては日本の個々の感染者が最善の医療を受けられず放り出される悲劇になりかねない。
改めて責任ある肝疾患医療体制を構築してほしい。

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