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【HCV】ノウハウ共有でINF治療普及を:肝臓専門医がいる施設と、いない施設ではINF受療率5倍近くの開き

久留米大学医学部の長尾由実子准教授は9月20日、中外製薬主催のC型肝炎セミナーで、インターフェロン(INF)治療の受療状況に関するアンケート結果を解説した。
INF製剤とリバビリンの併用療法など有効なC型肝炎治療のエビデンスが集積される一方で、肝臓専門医がいる施設と、いない施設ではINF受療率で5倍近く開きがある現状を指摘。
C型肝炎が社会問題化する中で、肝臓専門医が持つノウハウ、最新情報などを地域で共有することで、依然として低いINF受療率が改善されると提言した。

長尾氏が報告したのは、INF治療の受療実態を把握するため、2005年10月から06年2月末に実施した調査結果で、日本製薬工業協会のシンクタンク医薬産業政策研究会との共同研究。
肝臓専門医のいない診療所7施設、常勤する病院1施設に通院するHCV(C型肝炎ウイルス)感染患者254人と、担当する254人分の医師に回答を求めた。

医師のアンケートの結果では、254例の内、INF療法を説明したのが61.0%で、推奨したのが59.1%、実際にINFで治療したのは40.6%だった。
ただ肝臓専門医のいる病院では受療率が78.2%に上がったのにたいし、いない診療所では15.7%にとどまり、5倍近くの開きが判明。
INF推奨率でも病院90.1%、診療所38.6%と開きが目立った。

長尾氏は、診療所では患者が高齢であったり合併症があって、「INF治療が好ましくないと判断しているケースが多い」と分析。
一方で専門医は、肝疾患の病態や合併症、年齢などを総合的に勘案して「ここの患者への治療のメリット、デメリットを判断している」と述べ、専門医が持つノウハウや最新情報を地域の医師も共有できる場作りが必要と提言した。
INFの最新情報が普及することで、専門医以外の施設でのINF治療の推奨率、受療率が高まり、結果的に優れた薬物療法が広く定着するとの見方を示した。

また、INF治療を推奨しても、病院で10.2%、診療所で41.1%の患者が治療を断っている実態も紹介した。
副作用を理由に断る患者が多いとしたが、「近年、INF治療は目覚しく改善されている。
できるだけ新しい情報を提供して患者の不安や懸念を解消できるようなコミュニケーションが必要」と述べた。

(平成19年9月25日付「日刊薬業」より)

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