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ddI,ddI-ECによる重篤な肝合併症

【HIV】
≪FDA、「ddI」「ddI-EC]の名でして以前よく使われていた、didanosine [‘Videx’],[‘Videx EC’]
使用患者に、まれであるが重篤な肝合併症である肝硬変を原因としない門脈圧亢進症が出現すると注意喚起を出す≫
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/PostmarketDrugSafetyInformationforPatientsandProviders/ucm199169.htm


(抜粋)
 FDAは医療従事者及び患者に対し、didanosine [‘Videx’],[‘Videx EC’]の使用患者に、まれであるが重篤な肝合併症である非硬変性門脈圧亢進症が出現することについて注意喚起する。

Didanosine はヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の治療薬である。 [‘Videx’]は最初に承認されたdidanosine 製剤であり 、[‘Videx EC’]はdidanosine [‘Videx’],を遅延放出型にした製剤である。

 非硬変性門脈圧亢進症(肝硬変を原因としない門脈圧亢進)は、米国ではまれな疾患である。
 この疾患では、肝臓の大血管(門脈)の血流速度低下が生じている。この血流速度低下により、消化管系で食道静脈の重度の拡張(静脈瘤)が引き起こされる可能性がある。
 これにより重篤な出血をきたす可能性があり、死亡に至る場合もある。
 
 FDAは、有害事象報告システム(Adverse Event Reporting System, AERS)に提出された有害事象報告を通じて非硬変性門脈圧亢進性の事例を認めた。
 FDAは、これらの報告にもとづき、didanosine の安全な使用を確保するために添付文書を改訂し、非硬変性門脈圧亢進症に関する情報を追加した。
 FDAは、HIV患者の一部ではdidanosineの臨床上のベネフィットが依然として、リスクを上回っていることを考えている。
 しかし、同薬の使用判断は、担当医と患者との間で個別的に行われなければならない。

◇医療従事者向けの追加情報
 ・Didanosineの使用は、非硬変性門脈圧亢進症の発言との関連があることに注意すること。
 ・Didanosineの使用に際し、臨床上のベネフィットと非硬変性門脈圧亢進症などのリスクについて患者とよく話し合うこと。
 ・非硬変性門脈圧亢進症や食道静脈瘤の発現について、引き続き患者をモニターすること。
 ・Didanosineの枠組み警告には既に、乳酸アシドーシス、および脂肪肝を伴う肝腫大について記載されていることに注意すること。
 ・Didanosineと他の抗レトロウイルス薬との併用は、didanosineとヒドロキシ尿素やリバビリン(ribavirin)との併用と同様に、肝毒性発現と関連する。
 
◇データの要約
 FDAによるdidanosineの添付文書改訂は、didanosineの使用中に非硬変性門脈圧亢進症が発現した患者の市販後報告に基づいている。
 乳酸アシドーシス、脂肪肝を伴う肝腫大、肝不全などのその他の肝有害事象が、didanosineの単剤使用または他の抗ウイルス薬との併用で報告されている。
 
 Didanosine使用患者における非硬変性門脈圧亢進症の市販後症例42例のうち、
 ・26人は男性、14人は女性、2人は性別不明であった。
 ・年齢は10歳~66歳
 ・非硬変性門脈圧亢進症発現までのdidanosine治療期間は数カ月~数年であった。
 ・非硬変性門脈圧亢進症と確定した症例は生検により確認が行われ、この診断に当たりdidanosione以外の病因はなかった。

 報告例に記載された医療介入としては、以下の処置がなされていた。
 ・食道静脈瘤の結紮:8例
 ・経頸静脈性肝内門脈体循環シャント形成術(TIPSS):3例
 ・肝移植:3例

 42例のうち死亡が計4例あり、死因は以下のとおりである。
 ・食道静脈瘤からの出血患者: 2例
 ・進行性肝不全:1例
 ・多臓器不全、脳出血、及び乳酸アシドーシスの併発:1例

 非硬変性門脈圧亢進症から完全に回復したことが報告された患者は、肝移植を受けた3人の患者のみであった。
 市販後報告のみから因果関係を確定することは難しい。しかし、明確に記載された症例が多くあることや、アルコール性肝硬変やC型肝炎の可能性が除外されていることから、FDAはdidanosineの使用と非硬変性門脈圧亢進症の発現に関連があると 結論している。
 門脈圧亢進は食道静脈瘤の出血による死亡など重要な転機をきたす可能性があることから、FDAはdidanosineの安全使用を確保するため、添付文書の枠組み警告の頁のページを改訂した。

国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 医薬品安全情報 Vol.8 No.05 (2010/03/04)から

※きわめて重要な情報が警告として出ている。私たちの仲間も、一人は移植待ちの状態、一人は亡くなっている。この疑いは2年も前から、私たちの仲間の病状から出ていた。衛研が出している情報が、HIV医療現場に届いているのだろうか。DDIは当時あまり薬の選択のないころから広く使われている。そして未だに周辺で処方されて服薬し続けている人も少なくない。 
リスクとベネフィットと言われるが、抗HIV薬の選択肢が多くなった現在、本剤で健康悪化を生じている患者を早急に調べ、リスク回避をすべき段階と考える。
被害拡大の薬害につながらないうちに。

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