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売血政策の中国
『エイズ村』ルポ

家族との死別、貧困、発病の恐怖―。
行政が進めた売血政策によってエイズ患者が激増した中国河南省の「エイズ村」で、報道統制によって長年固く閉ざされてきた“悲劇”が、現地取材によって浮かび上がった。
責任を逃れようと取材を妨害する役人たちの陰で、農民らは記者に感染の悲しみと怒りを切々と訴えた。
(中国河南省双廟村で、平岩勇司)

中国の地方当局が1990年代、貧しい農民に輸血用の有償献血を奨励した「売血」政策により、多くの村民がエイズウイルス(HIV)に感染、周囲から「エイズ村」と差別される河南省東部の柘城県双廟村での取材から。
「売血」時の不衛生な採血により感染が拡大し、人口約3000人の同村で既に約200人が病死、約300人の感染者が発病の不安におびえて暮らす悲惨な実態が明らかになった。

■『息子の血で家建った』
売血で得た金で建てられた。
豪華な家の中で家族の誰かがエイズウイルス(HIV)に感染するか、死に至っている。

■差別逃れ改名、発病に不安
1990年代半ば、河南省の農村に有償献血(売血)センターが次々と現れた。
当時の中国は輸血用血液が不足しており「血液がビジネスになる」と考えた地方当局や腐敗幹部らが製薬会社と結託。
貧しい農民に売血を奨励した。
採血に使う機器は殺菌されず、注射針も使い回された。
当時の年収はたった500元(約7500円)。
売血すれば一度に50元も手に入った。
薬は無料だが副作用がつらい。
娘は、差別を恐れて名前を変えさせた。

平成19年1月26日「東京新聞朝刊」より

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