トップページ > HIV医療福祉 > HIV/AIDS
【HIV】厚労戦略研究 エイズ予防研究がC評価で初の中止

2006年度から5年間の計画でエイズ予防のための戦略研究を行っていた厚生労働科学研究(研究リーダー=木原正博・京都大大学院医学研究科教授)が、厚生科学課長の諮問機関「戦略研究企画・調査専門検討会」(座長=黒川清・政策研究大学院大学教授)による中間評価の結果、評価が「C」(今後の見通しに問題があり、中止を含めた研究計画の見直しが必要である)となり、中止されていたことが4月15日、分かった。
戦略研究が途中で中止されるのは今回が初めて。

同日の厚生労働省の厚生科学審議会科学技術部会で報告された。
今後、同検討会内に検証チームを設置し、遅くとも9月末までに検証結果をまとめる方針。

戦略研究は、医学的臨床研究の基盤整備を目的に、厚生労働科学研究の新たな枠組みとして設けられたもの。
エイズ予防のほか糖尿病予防、自殺対策、がん対策、腎臓病重症化予防、感覚器障害の6つのテーマで研究が進められている。
研究費は一般の厚生労働科学研究が年間約2,000万円なのに対し、億単位となっている。

木原教授らの研究は、エイズ発症者が多く居住する首都圏の都市在住者の男女を対象に、テレビ、ラジオ、ポスター掲示などを活用したメディアミックスの広報戦略を開発・実施することで、HIV検査件数の増加やエイズ発症率減少を目指すもの。
啓発活動の促進や検査・相談体制の整備など、エイズ発症予防の行政施策立案に寄与することも目的だった。
厚労省が交付した研究費は、06~08年度の3年間で計約4億3000万円に上る。

しかし、首都圏ではなく関西圏でパイロットスタディーを行った上、テレビで広報した直後に、登録検査施設の受け入れ能力を上回るHIV検査の受検希望者が殺到し、検査が受けられないケースが発生。
登録していない検査施設でも検査が多く行われたために、受検者数増加の効果検証が困難となるなどの問題が生じた。
首都圏の研究でも、必要な検査体制の確立が困難であることや、研究費用が予想を大きく上回ることも判明。
木原教授は今年初めに研究中止を研究実施団体を通じて厚労省に連絡した。

「男性同性愛者を対象としたHIV新規感染者およびAIDS発症者を減少させる効果的な啓発普及戦略の開発」(市川誠一・名古屋市立大看護学部教授)は「B」(一定の研究成果が期待でき、継続して取り組む必要がある)とする中間評価結果が報告された。

平成21年4月17日付「日刊薬業」から

※ちなみに、評価「A」は(十分な研究成果が期待でき、優先的に取り組む必要がある)としている。
詳しいことはわからないが、当事者組織としてHIV/AIDS対策は偏見・差別など社会環境啓発は効果が上がっていなく、研究者・行政の遅々たる時間感覚にいら立ちを覚えていた。
そのため、“待っていられない”と自ら社会の関心・雰囲気作りに積極的に動いている。
かたや、研究も研究段階で満足しているものが多いのか、国全体で取り組む姿勢が実感として伝わってこない。
そろそろ特定の集団対策に重視しつつも、一般の対策として予防のみの声高さから、病気の理解・健康の問題として啓発してゆく取り組みを実践研究することなど、これまでの研究者からもっと異なった研究者と、頭打ち状態を変えていくことも必要だと思う。
当事者組織も社会化していく中で自分たちの役割を広げていきたい。

▲このページ [ 【HIV】厚労戦略研究 エイズ予防研究がC評価で初の中止 ] の先頭へ
▲1つ前のページに戻る
▲トップページへ戻る