トップページ > HIV医療福祉 > HIV/AIDS
抗HIV殺菌剤開発を加速する臨床試験の進行に専門家が期待
治療だけでは感染者は減らない

安全且つ効果的な抗HIV殺菌剤の開発の歴史は失望と挫折の繰り返しだった。

例えば、ノノキシール9は有望な膣殺菌剤(microbicide)として大いに期待されたが、動物実験と臨床試験で相反する結果や否定的な結果が示されて開発は頓挫するなど、製薬会社はこの分野への参入に二の足を踏んでいた。

しかし専門家らは、安全で効果的な局所抗HIV殺菌剤が近い将来開発されて承認されるだろうと楽観的に見ている。
その根拠は、5種類の殺菌剤が現在進行中の6件の臨床試験で有効性が評価されているほか、臨床試験の前段階と開発中の化合物を合わせて70を超えるからだ。

開発研究の対象にはこうレトロウイルス薬として有効なテノホビルなどの薬剤も含まれている。
さらにここにきていくつかの製薬会社がNPO や財団からの支援をもとに、抗HIV殺菌剤の研究・開発に積極的になっている。

Pittsburgh大学産科婦人科(分子生化学)教授のSharon Hillierは、安全である程度の効果を持った殺菌剤が7~10年以内に開発されると予測する。

2004年に、500万人近くが新たにHIVに感染した。そのうち90%は性行為を介した感染者であり、抗HIV殺菌剤は女性の感染拡大を抑制する切り札だ。
国連HIV/AIDS合同計画(UNAIDS)によると、世界全体で成人のHIV感染者は3860万人で、その半数近くが女性だ。
女性のHIV感染率は東欧、アジア、南米で特に急増している。
サハラ以南アフリカ地域では若年層のHIV感染者の74%が女性だという。

女性は生理学的にHIVに感染しやすい。性交中に膣粘膜が精液に高レベルで曝露するためだ。
また、レイプは表面化しないことが多く、性的パートナーがコンドームの使用を嫌がったり、HIVに感染していることを隠したり、危険な行為を促すこともある。
女性に対するHIVとその感染予防が十分に教育されていない地域も多い。「コンドーム、禁欲、一夫一婦制以外にもHIV感染予防につながる引き出しを増やしておくこと必要がある」とHillierは言う。

国際殺菌剤連携機構(IPM)によると、タイで開催された第15回世界AIDS会議以降の2年間に大規模臨床試験で評価中の殺菌剤が2個から5個に増えた。
その5個は(カラゲナン、硫酸セルロース、スルホン酸ポリナフタリン、C31G、カルボマー974P)。

以上のものは90年代の前半から半ばに開発された第一世代であり、IPMのRosenbergは「HIVに特異的な第二世代の製品が今後登場する予定」と言う。
HIV感染の拡大が始まって以来、専門家は首尾一貫してウイルス感染者を減らそうとしても、感染者の治療だけではその効果に限界があると警告してきた。
Hillierは、「治療法を増やすだけでは不十分だ。今までのやり方に頼っていたら、HIV感染問題は克服できない」と強調する。

(「MMJ」World News 2006年10月号、Vol.2 No.10 926-928)

▲このページ [ 抗HIV殺菌剤開発を加速する臨床試験の進行に専門家が期待
治療だけでは感染者は減らない ] の先頭へ

▲1つ前のページに戻る
▲トップページへ戻る