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【新薬情報】HIV、HCV治療新薬情報
新薬開発情報2:Telaprevir (VX 950)

MK0518(インテグラーゼ阻害薬)/Telaprevir (VX 950)/Eltrombopag

【新薬開発情報2:Telaprevir (VX 950)】  
ACC医療情報室長 立川夏夫先生からの情報提供

報告
McHutchison JG, Everson GT, Gordon S, et al. Results of an interim analysis of a phase 2 study of telaprevir (VX-950) with peginterferon α-2a and ribavirin in previously untreated subjects with hepatitis C. Program and abstracts of the 42nd Annual Meeting of the European Association for the Study of the Liver; April 11-15, 2007; Barcelona, Spain. Abstract 786.

 Telaprevir (VX 950)はHCV(C型肝炎ウイルス)の持つ酵素プロテアーゼに対する阻害剤です(プロテアーゼ阻害剤)。これはVertex社(http://www.vpharm.com/index.html)が開発中の薬剤です。Vertex社はGlaxoSmithKline社(グラクソ)とともにLexiva(レクシヴァ)を開発した会社です。この薬剤の特徴は、今までのIFN(interferon)+RBV(ribavirin)治療において効果が弱かったgenotype 1に対して有効性があるということです。

【研究方法】
 この新薬の治療成績が07年4月に学会で発表されました。Telaprevir (VX 950)の効果は患者を4群に分けて検討されました。

 4群とも最初の12週はペグインターフェロンα-2a(PegIFN α-2a)180μg+リバビリン(RBV)1000~1200mgを使用しています。治療対象は未治療HCV患者でgenotype 1です(1aが75%程度、1bが25%程度)。
コントロール群(Group A)ではこのPegIFN+RBVを更に36週続けて、合計48週治療しています。

 Telaprevir (VX 950)治療群はPegIFN(α-2a)180μg+RBV1000~1200mgに加えてtelaprevir (VX 950)を併用してい ます(750mgを1日3回内服)。治療期間はtelaprevir (VX 950)は12週間。その後の治療方法が3群で異なります。

 
人数
12週間治療
コントロール群(対照群)
80例
Peg/RBVのみ
VX12週+Peg/RBV群(VX群)
180例
VX950+Peg/RBV

【結果】
 結果は治療開始4週目と12週目までしか報告されていません。

HCVRNA量( IU/ml)
VX群(VX+Peg/RBV)
コントロール群(Peg/RBV)
4週目で10 IU/ml未満
79%
11%
12週目で10 IU/ml未満
70%
39%

 通常HCV治療の成功を判定する方法はアンプリコアHCV-RNA定性法であり、この感度は100 copies/ml程度の感度を有すると考えられています。

 12週目の成績は非常に期待できる成績です。12週目での通常のPegIFN/RBVの方法と比較するとその効果は高くなっています(70% vs 39%)。

 通常のHCV、genotype 1の患者のPegIFN/RBVによる治療期間は48週です。48週後の効果は約45%程度です。

 注意すべきは、通常のPeg/RBV群では4週後の結果が11%であり、12週後の結果が39%と治療効果が増えています。しかしVX群では4週後の結果が79%であり、12週後の結果が70%と低下している可能性があります。Telaprevir (VX 950)で問題になっているのは早期の治療効果が落ちる薬剤耐性の問題です。今回の結果にもその性格が反映されている可能性があります。最終的な効果はすべての治療を終了して24週後にHCVRNA定性(-)が保持されている率で判定されます。その結果はまだ提示されていません。

 しかし、telaprevir (VX 950)は最初のHCVプロテアーゼ阻害剤です。しかも今回の報告された結果は良い結果でした。今後はこの薬剤を筆頭に、薬剤耐性に強い薬剤の開発が進んでくると期待されます。

【開発段階】
  現在の開発の段階は臨床試験第2相試験(フェイズ2)に相当します。まだ認可までには数年かかると思われます。が、もしこの薬剤の効果が劇的に優れている場合には、認可のスピードは速くなると思われます。最初に紹介した新規抗HIV薬であるMK0518は第2相試験の結果でFDAへの認可が申請されています。

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