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【新薬情報】HIV、HCV治療新薬情報
新薬開発情報1:MK0518(インテグラーゼ阻害薬)

MK0518(インテグラーゼ阻害薬)/Telaprevir (VX 950)/Eltrombopag

【新薬開発情報1:MK0518(インテグラーゼ阻害薬)】

MK0518はインテグラーゼ阻害薬であり新規の機序をもつ薬剤です。現在最も期待される抗HIV薬の1つです。しかしそれを実際に使用するまでには多くのステップが存在します。

我々の患者の中にはギリギリで闘病生活を続けている方々も多くいらっしゃいます。 今回はその患者(エイズ治療・研究開発センター(ACC)で治療中の薬害エイズ被害患者)を中心として画期的な試みが実施されました。

米国で行われている臨床治験の拡大治験に海を越えて日本の患者が参加するというものです。 患者には既存の抗HIV薬全てに薬剤耐性があり、治療薬の選択の余地のない状況でした。 患者は製薬会社、ACC、厚生労働省の協力を得て、米国外の拡大治験に世界で始めて参加しました。 患者・医療者の希望を叶えた世界でも画期的な試みです。

万有製薬株式会社が米国本社とともに開発している新たな作用機序の効果を期待されている抗HIV薬:「MK0518」(インテグラーゼ阻害薬)の臨床試験第3相(フェイズ3)に、日本の医療機関に通院したまま海を越えての拡大治験に参加したのです。

患者は有効な薬剤がなく、HCVによる慢性肝炎の活動性も激しい状態でした。 2006年9月まではウイルスの増殖力を少しでも抑えるために3TC単剤のみを続けていました。 この間、CD4は一桁という免疫状態で、熱発や色々な病状を呈して入退院をくり返していました。 なかなか安定した日々がありませんでした。

2006年9月には本邦未承認(しかしFDA(米国医薬食品局)は認可)「TMC-114/rtv」と「T-20」+「TDF/FTC」を個人輸入という形で入手、治療に懸けました。 治療効果は素晴らしく、その成果はすぐCD4が二桁、100/mm3を超える回復につながりました。 HIV量は検出限界以下、CD4が100/mm3を超えたのは、5年ぶりのことでした。

しかし、T-20は皮下注射で、1日2回の投与が必要です。皮下注射は痛みと腫れがきつく一時は中断となりました。 毎日通院するのが大変なため、ACCのコーディネーターナースや訪問看護ステーションのバックアップを受けながら、TMC-114/rtvとT-20を柱とした治療を継続しました。

2007年3月23日には前述したMK0518(インテグラーゼ阻害薬)が遂に入手可能となりました。 同日よりT-20をMK0518に切りかえて、現在治療中しています。 現在CD4は200/mm3を超えています。 現在は副作用と思われるものは出ていません。 T-20時代に比べ生活の制約も減り、昨年秋からの新規治療で体調も回復したことより、週3日の仕事に復帰しています。 今後、副作用の推移に注意が必要ですが、このまま順調に治療が継続できることを期待しています。

先駆的な取り組みに協力をしていただいているACC、万有製薬株式会社、厚生労働省に感謝を申し上げます。

(ACCセンター長 岡慎一先生から取り組み情報を頂きました。 また、この情報掲載にメルクの海外拡大治験に参加している当事者の了承を得ています。)

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