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【血友病】中医協総会 血友病インヒビター保有患者のための治療薬「ノボセブン」、供給停止回避へ不採算品算定

中医協は1月14日の総会で、血友病治療薬「注射用ノボセブン」(ノボ ノルディスク ファーマ)について、2006年度薬価制度改革で導入した不採算品算定の特例的なルールを適用して薬価を引き上げることを了承した。
BSE対策に伴う原材料管理コストの増大によって現行薬価では不採算となり、供給が困難になる恐れが生じたことに対応したもの。
2月1日付で薬価を引き上げる。

同ルールでは、安全対策のための製造方法の変更などによって現行薬価では不採算となった場合に、緊急性が認められれば改定年度でなくても不採算品算定による薬価引上げを行う。
同ルールが適用されるのは、輸血医療の安全性確保に必要な白血球除去を製造工程に追加するため2006年に製品を切り替えた輸血用血液製剤に続き2例目になる。

ノボセブンは2000年5月に薬価収載された遺伝子組み換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤で、1.2mg製剤と4.8mg製剤がある。
血液凝固第Ⅷ因子や第Ⅸ因子に対する抗体(インヒビター)を保有する先天性・後天性血友病患者の出血抑制に用いる。
同剤使用患者数は、先天性118人(2008年11月時点の推定患者数)、後天性は49人(2008年1月~11月実績)。

同剤の製造工程にはウシ由来成分が用いられているが、厚生労働省が製薬各社に求めたBSE対策に基づいて、同社は2003年以降、同剤の原材料管理の厳格化を進めてきた。
これに伴うコスト増は企業努力によって吸収してきたが、「企業努力にも限界がある。日本の価格は他国と比べて低く、不採算となっている。現行薬価のままでは供給を続けることが難しい」と判断。
厚労省に対し日本での供給を停止する意向を伝えた。

これを受けて厚労省は、日本血液学会に意見を聞いたが、学会からは、「他に代替するものがない医療上必須な医薬品だ。
今後も供給を継続してほしい」との要望が出ていた。

●ノボセブンの薬価を43.5%引き上げ

薬価引き上げは原価計算方式で実施したが、患者負担が過度に大きくならないよう、「原材料管理の厳格化に伴う本社からの移転価格の上昇相当分」のみを引き上げる形にした。

引き上げ後の薬価は1.2mg製剤11万6501円、4.8mg製剤43万3,103円で、現行薬価と比べると43.5%増加した。
ただ欧米4カ国の平均価格(1.2mg製剤15万1,783円、4.8mg製剤60万7,134円)と比べると低くなっている。

厚労省保険局医療課の磯部総一郎薬剤管理官は席上、「企業側からすればもっと高い価格にしてほしいとの要望もあるが、患者負担の問題も十分考えた結果、移転価格の上昇相当分のみを引き上げることにした」と説明。
また先天性血友病患者の場合は公費負担で患者負担が軽減する仕組みもあるとした上で、「学会からは、負担増による混乱はまず起こらないと聞いている」とも述べた。

さらに総会終了後の取材で、同ルールを適用する場合に学会だけでなく、患者団体などの意見も聴く必要があるとの指摘が委員から上がったことについては、「どういうやり方は別として今後検討する」と語った。

平成21年1月15日付「日刊薬業」から

※学会だけでなく患者の意見を聞く、尊重するというのが薬害エイズ事件の教訓となっているはず。
薬価の大幅な引き上げや代替製剤のない問題から、やはり学会の判断だけで済む問題ではない。
公費負担制度から負担増の混乱はないとしているが、いろいろな健康保険組合など助け合いのもとに公費負担の仕組みが出来ていて、血友病患者の医療費は突出した形で高額医療費として取り上げられることも少なくない。
どこかに責任回避する結果は最終的に患者・家族にしわ寄せが来ることを企業・学会・行政も認識すべきだ。

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