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09.12.22更新

"悲しいくらいに悲しい"
医療者の壁、病院の壁から抜け出せず、HIV/AIDSを発症して亡くなった薬害エイズ被害者。

感染症の先生が、「血友病患者は囲い込みの中にいるんだ」と救いの手が出せないもどかしさを告げた。

国は、すべて感染しているからという思い込みで、被害を蓋する施策で救いの手立てを立てなかった。
患者・遺族の怒りで、責任と生きる医療をと裁判を提起した。

薬害エイズ裁判のはじまりである。

7年余の裁判で1996年3月、元の血友病患者に帰すべく原状回復医療を柱に据えた救済医療体制が構築された。

その出発から10年以上が経過した。
被害者はその間、希望を抱いて将来を目指したが、同じ血液製剤で感染したHCVとの重複感染は、被害者の命を毎年10人以上の数で奪っている。
30?40歳代の若さで亡くなる被害者が多い。
この5年、国や救済医療を担う医療機関にこの窮状を打開するあらゆる手立てを要望して来た。

しかし、悲しいことに10年の経過に、被害を教訓とした新たな医療体制を築いたはずが、国は現場に任せるだけ、また医療者のプライドなのか救済医療の使命が錆びついてきた。

関係するものがまた、病院・医療の壁を作った。
第二の悲劇の象徴になる病院の壁を超えて全力を挙げることはなくなった。
患者・家族は弱い立場で、ある母親は、人質の取られているから強く言えないと嘆く。

救済機関は開設当初の情熱・使命感は失せ、被害者の病状の悪化、特に肝硬変・肝細胞がんなどで息を引き取っていく仲間が増えている。

ずっと張り付いて監視していなけらばならないのか、自分たちの救済のもとに何百人の命の犠牲の上につくられた砦が、医療者に乗っ取られてそうなので、病院の壁を叩き壊し、最後の砦では大掃除をして、本来の救済をもう一度取りかかり始めた。

また、前進あるのみでチャレンジしていく。
悲しいくらいに悲しい。
こんな辛いこと、ずっと続けさせるのか国は!

(平成21年12月22日)(花摘)

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