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08.07.23更新

洞爺湖サミットの厳重警備が始まった6月24日、千歳の日赤血漿分画センターに向かった。

千歳空港からの原野を走る道は、警察の警備陣が至る所に目につき、また検問も多かった。
道路標識に書かれた動物も怖くて現れそうもない。

何年ぶりかに訪問した血漿分画センター、稼働から25年になる。

献血血液による国内自給を目指し、国会決議で国策として製造されることになった血友病第?凝固因子製剤「日赤クロスエイトM」は、この千歳で製造し、日本の血友病患者の主要治療薬として全国へ供給されている。

いや、されてきたとの言うのが正しいのかもしれない。
しかし、遺伝子組換製剤が輸入販売されると、感染性のリスクが低いとのPRで今や国策製剤のクロスエイトM供給割合は30数パーセントにとどまっている。

今回、血漿分画センターに行ったのは、患者が願って国策製剤として供給製造を実現し、その体制を日々努力しているセンターの職員の皆さんに、HIV感染被害を通して献血の大切さ、献血から作られる血漿分画製剤の意義、患者が国や日赤に働きかけてクロスエイトMにつながった経緯、実際に働きかけを続けてきた体験とこれからの新たな期待を話す機会を得たためであった。

話はこれからも献血由来に血漿分画製剤の製造と供給に力を注いでほしいことや、また献血由来の意義やスピード感のある供給や新たの製造開発、タイムリーな日赤からの供給であってほしいことを伝えた。

25年を経過して、国策の設置意義や献血由来の意義などが、患者・国・医療者などに薄れてきている。
患者や医療者の中には新し物好きがいることは確かだ。
国も、献血由来による安定した製造供給体制作りをややもすると忘れがちになる。

そして、肝心の日赤にもその傾向は例外ではない。
そのはっぱをかけに行ったことも確かである。
製造ラインが旧態化していかないか心配でもある。
よりコンパクト化した製剤に開発、常温保存、半減期の長い製剤開発に取り組んでいるなどニュースを聞いたが、それも情報提供から供給までタイムリーであることが大切だ。
いろいろ課題を聞き、また警備厳重な道路を走り千歳を後にした。

最近、中国のNGOが、中国で献血思想を定着させたいと、日本の献血体制に興味を示していた。
特に、子供の教育にはばたきが発行している献血の絵本「ぼくの血 わたしの血」に強い関心を示した。

日本では、検査目的の献血が増加しているモラルの低下に嘆いていたところから、少し明るい話題であった。
7月17日には、栃木県宇都宮市で全国献血大会が開催され、全国、また栃木県下で献血推進に熱意を傾ける企業や個人・団体が表彰された。

献血の体験発表では、献血推進者として栃木県の生命保険協会が長年の献血協力の働きかけを協会内に行っての歴史を含め発表した。
また、献血の恩恵を受ける側の患者の立場から、悪性腫瘍の克服に多くの人の献血による輸血などが効果を奏した体験を発表。
献血を通じての命のつながりを強調した。

血液を介した治療をし続ける血友病患者にとって、また薬害エイズ被害の教訓から、献血を通して命の大切さを訴え続けることは、は
ばたき福祉事業団が常に掲げている課題である。

献血による血漿分画製剤国内製造につながったその象徴である「クロスエイトM」の存在を改めて強く訴えたい。

(花摘)(08.07.23)

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