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【血液】輸血用血液に混入した病原体不活化へ新技術検討

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の血液事業部会運営委員会と安全技術調査会の合同委員会が2月27日開かれ、血漿や血小板などの輸血用血液に混入した病原体を不活化させる技術の導入について議論した。

血液製剤の原料血となる献血血液の病原体混入チェックとして、現在は核酸増幅検査(NAT)が行われているが、潜伏期間中にすり抜ける感染血が発覚しているため、新技術の導入を検討する。
不活化技術とは、献血血液に混入する感染因子(ウイルスや細菌、原虫)を不活化剤や紫外線照射によって死滅させる技術、欧州各国では輸血医療の安全対策として導入が進んでおり、米国でも導入に向けた検討がスタートしている。

国内では1999年に、HIVなどに対してNATを導入し、輸血後肝炎が99%以上抑制された経緯があるが、感染後、検査で陽性が判明するまでの期間(ウインドー期間)に検査をすり抜けてしまう事例が防ぎきれず、年間10例前後の肝炎患者が発生している。

ただ、同日の会合では、不活化技術の導入に対して委員からは、「かなり唐突な話。副作用などの問題点について情報が不十分」などと慎重論が相次いだ。
血漿活性の低下など不活化による有効成分への影響、それに伴うアレルギーや免疫抑制と行った患者側のリスク、他の薬剤との相互作用への懸念が示されたほか、導入後のフォローアップ体制の必要性に対する意見も上がるなど、多くの委員が慎重姿勢を示した。

運営委員会の高松純樹委員長(名古屋大学病院輸血部教授)は、「海外の状況や論文を判断材料にするのではなく、国内において不活化技術をどう評価し、どのような要求があるのかを患者の立場から見極める必要がある。患者の安全性と輸血の安全性は違う。導入の方向性は現時点では明確にせず、議論していきたい」とし、今後、報告書を取りまとめる夏までに、慎重に議論を重ねる考え方を示した。

(平成20年2月29日付 「日刊薬業」から)

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